親鸞なう18日
浄土真宗と田口ランディというのは、マッチしているような、相反しているような不思議な関わり合いを持っているような感じがする。
田口さんの「宙返りの練習」は、そういう意味で面白かったのだが、この人は仏教や神といった宗教的なものに関する関心がすごく強い。
にもかかわらず、特定の宗教を信仰してはいないという。
「死後の世界はあるんじゃないかと思っている。
宗教は好きだから、信じられるものなら信じたい。
だけど『これだ』という確信がない。
納得できないものは信心できません。」
この人の浄土真宗に対する理解はかなり深いものがあると感じる。
「宙返りの練習」を見ても、他力本願に対して不審の念を抱きつつ、浄土真宗に限りなく近づいているように思える。
(この本の巻末の「お坊さんが教えてくれない肝心なこと」という三橋尚伸(女性)との対談は、非常に面白い)
この浄土真宗に対する認識は、ある意味透徹していると言ってよいのではないか。
「人間はどん底におちない限り、何とか自分でやろうとする存在。
でも自分でやろうとする人には、真宗はセーフティーネットにはなり得ない。
それゆえ真宗は難しい。」
易行と言われながら、難しいと言われるのは、こういうところにあるのだろう。
田口ランディと浄土真宗の関わりは、なんだか目が離せない、ドキドキするような関係なのではないだろうか。
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