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本・新聞 Feed

2013年9月 8日 (日)

ひらがな真宗

森田真円『ひらがな真宗』を読む。

題名が示すとおり、真宗の教えを難しい用語を使わずに示してくださる本。

しかしながら、内容の深さはとても深いところまでふれられている。

あまり真宗に馴染みのないという人はもちろん、真宗になじまれた方も肩の力を抜いて読むことができる本だと思う。

森田先生は、本当に難しいところをやさしく説くことのできる方だと、感心至極。

正善寺からのお知らせ

正善寺 彼岸会 9月22日(日) 午前10時より

本山  彼岸会 9月22日(日)~9月24日(火) 午後2時より

どうぞお参りください。

彼岸会のご案内、有縁の方々にはそろそろ届くことと存じます。

2013年9月 7日 (土)

お寺の教科書

『お寺の教科書 未来の住職塾が開くこれからのお寺の100年』(松本紹圭・井出悦郎)を読む。

未来の住職塾での講義がもとになっている本であるが、エッセンスがいかんなく詰め込まれていると言ってよいだろう。

これからのお寺に求められるのは「みんなの寺」としてのお寺。

この本が提示するお寺像は、立場がどうであれ、一考される価値があるものだと感じる。

「開かれたお寺づくり」だとか「お寺の可能性を引き出す」といった帯の言葉にそのあたりは言い表されているものと思われる。

ただ、このような言葉は、単に新しいものを求めているだけの言葉ではなく、お寺の持ついろいろな価値をもとに、その価値を埋もれさせるのではなく、みんなに広く開こうとするものである。

「経営」といった言葉も散見されるが、「経営」とはそもそも仏教語であり、「人生をどう営むか」「自分をどう活かすか」といった意味合いであって、お金儲けを意味するものではない。お寺の金儲けとは無縁の本であることは断っておきたい。

この本は「お寺の教科書」と銘打ってはいるが、こうすればお寺がうまくいくとか、お寺はこうしなければならないといったことが書いてあるのではなく、あくまでもみんなの中でお寺がいかにその可能性を発揮するか、そのための下準備の仕方を伝えてくれる本であると思う。

お寺のあり方、檀信徒のあり方、お寺は千差万別であり、問われるべきはそのお寺の使命やお寺をとりまく人の志だと思われる。

そこの所をとても刺激してくれる本。

できれば、お寺を取り巻く人たちと一緒に読みたいものである。

正善寺からのお知らせ

彼岸会 9月22日(日) 午前10時より

どうぞお参りください。

2013年8月12日 (月)

プロの尼さん

落語家で尼さんの露の団姫(つゆのまるこ)さんの「プロの尼さん」を読む。

落語家となり、天台宗の尼さんとなり、キリスト教信者の夫がいる露の団姫さん。

彼女の落語と仏教に対する思いが存分に顕されている本。

一気に読めるおもしろさ、そして団姫さんの仏教に関する思いが遺憾なく伝わってきて、非常に感動的な本だ。

他力のお念仏についても、理解を深められており、真宗の方ではないが、「仏教」という大きな枠でとらえて、この本は皆さんに一読を勧めたいと思う。

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2013年7月 7日 (日)

沈黙、音楽で自らと対話

本日の福井新聞には標記の記事があった。

福岡黙想の家を取り上げる。

黙想とバッハの音楽、キリスト教の試みではあるが、宗派は違ってもとても示唆的だと思える。

真宗であれば、仏教賛歌か声明と内観となるのであろうか?

こういう試みをしておられる真宗関係者があれば、お話を聞いてみたいと思う。

同面「短信」は超宗派の僧侶有志がインターネット上に立ち上げた悩み相談サイト「ハスノハ(husunoha)」を紹介。

実は何人か知っているお坊さんがこのサイトに関わっておられ、私自身も少しお手伝いをしている。

まさしく超宗派で、天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗などなど、いろいろなところから宗派の違うお坊さんが答えを寄せられている。

うちは浄土真宗だが、他宗派ではこう考えるのかと改めて考えさせられたり、見事に個性的なお答えに、こちらの目が開かれることもある。

もちろん悩みに回答する真摯さは皆さんに共通するのだが、複数の回答があることが多く、それぞれの回答を読むのも興味深い。

一度ご覧になってはいかがでしょうか?

2013年6月27日 (木)

はんこ縁縁

6月29日の諸行無常ズワークショップだんだんと開催日が迫って参りました。

諸行無常ズの麻田さんが「彼岸寺」さんに連載中の「はんこ縁縁 消しゴムはんこのお坊さんが行く」の「第3回 極楽パンチというイベント(2)」が掲載されています。

当日正善寺においでの方、北陸ツアーの他のお寺で参加の方、そして、今回来ることはできないが、興味はあるという方、もちろん、そうではない方も、一度読んでみられてはいかがでしょうか。

いろいろなイベントに関わっておられる麻田さんの思いが伝わってきます。

「見えなくなっているつながりを可視化していく作業が僧侶や寺院が初すべき役割」

というあたり、私には感銘深くありました。

当日、麻田さんと津久井さんにお目にかかるのが楽しみです。

正善寺からのお知らせ

6月尼講 6月27日(木) 午後7時より

諸行無常ズワークショップ 6月29日(土) 午前九時半より

2013年6月23日 (日)

絵ものがたり正信偈 その2

浄徳寺さん永代経でのお取り次ぎ。

再び「絵ものがたり正信偈」を読ませていただく。

今回は、前振りでの永代経の意味を少し長く詳しく。

「真宗では供養とはいわないですよ。永代経は永代供養のためではないのですよ」

というと、ここに反応される方が何人か。

供養という言葉やお墓についても一言。

そのあとは、「絵ものがたり正信偈」を音読し、説明を兼ねてお話。

この御本は、こちらがお伝えしたいことをちりばめてくれているのかもしれないと思えてくるように、やさしく感性豊かな言葉で正信偈のお心を表現してくださっている。

皆様とともに音読すると、お話をするこちらの方が、高揚してくる感じがある。

よい本と巡り会い、こういうふうにお話しさせていただく機会に巡り会ったご縁に感謝したく思うところ。

2013年6月 3日 (月)

寺院版ソーシャルビジネス

6月2日(日)の「福井新聞」13面には仏教関係の記事が多く、その中でも「寺院版ソーシャルビジネス」「公益の営み取り戻す」などの見出しとともに、「寺業」についての記事があった。

まず「寺業」を「寺院版ソーシャルビジネス」とする。

ビジネスを安直にお金もうけに結びつけてはいけない。

単なるお金儲けではなく「社会的役割を果たしながら寺を維持する仕事の新しいあり方」「地域活性など社会課題を事業化する」と説明されている。

小原泰明さんは、西光寺の副住職。

寺で行われている「酉の市」の再生はかり、地域の人々とチームを組んで「地元を元気にしたい」、「有機的な結びつきが出てくれば」との思いで、ワインを飲みながら議論をする。

小原さんが目指すのは「呼吸する寺」。

地域の人々と共に生きて機能する寺だ。

島おこしに取り組むのは松島智明(釈智明)さん。

進学のため島を離れ、結婚。

都会暮らしが続くが、脱サラした匡史さんとともに島に戻ってジャムガーデンを。

そこには「お寺と地元の信頼関係があった」からこそ、やってこられたとの思いが。

「私と同様、『島に帰りたい』と思う人が出てきたときのためにも、荘厳寺はこの島の風景とともに存続していたい。」と智明さん。

最後に應典院でのトークセッションを取り上げる。

「寺業再興 地域のいのちを支える『ソーシャルビジネス』入門」

大蓮寺(應典院)住職の秋田氏の言葉。

「『寺業』は生老病死を支える公益的な営みだ」

寺が本来、社会で果たしてた役割を取り戻そう、そういう意図を「再興」に込める。

2013年5月 9日 (木)

はじめての親鸞さま

森田真円さん『はじめての親鸞さま』をやっと読了。

題名からは、あるいは内容が非常に簡単で深みに欠ける本か、と思う方もあるかもしれない。

たしかに帯には「はじめて『親鸞さま』に出遇う人へ」とあったり、「やさしく学ぶ」などとあり、軽く読める入門書かと思いそう。

語り口は「やさしく」内容は深い。

難しいと思える深い内容をこれほど「やさしく」語ることのできる方はなかなかいないだろう。

そう思わせる本。

手にとって一読いただきたい優れた「親鸞さま」に関する本だと思います。

正善寺からは、次のお知らせ。

尼講 5月26日(日) 午後7時より

諸行無常ズワークショップ 

6月29日(土) 午前9時半より 申し込みよろしくお願いいたします。

なんでも「月刊ウララ」6月号(5月下旬発売)で、諸行無常ズワークショップをかなりスペースを割いて紹介いただけるのだそうです。ごらんいただけるとありがたいです。

こういうふうに紹介していただけるのも、一緒にワークショップを支えていただいている方々のおかげです。本当にありがたく思う次第。

2013年4月 6日 (土)

いのちとうとし2

「いのちとうとし 2」という小冊子が今、手許にあります。

副題は「16人のお坊さんが子どもたちに贈る千字メッセージ」

ここにあるように、短い文章。2ページ見開きで一人のお坊さんのメッセージ。

16人のお坊さんがメッセージを寄せられています。

お坊さんの所属はいろいろな宗派に渡っていて、バラエティ豊か。

真宗の方はお二人。いずれも私にとって親しみを持っているお方。

まずお一人目は浦上哲也さん。「魚たちの悲しみ」

金子みすゞさんの詩からいのちの大切さを伝えてくださる。

みすゞさんの詩は浦上さんのにとっては、非常になじみ深いものであると思われますが、お人柄が表れた文章だと拝察しております。

「なごみ庵」というちいさなお寺(お寺のたまご)から、多くのことをお伝えになっておられます。

お名前からリンクを張ってありますので、「なごみ庵」にもおいでください。

お二人目は柳瀬奈々さん。ひらがなの「やなせなな」さんとして歌手としてもご活躍。「共命鳥が伝えてくれること」

共命鳥(ぐみょうちょう)とは、体は一つで頭の二つある鳥。私たちのなじみがある「仏説阿弥陀経」にも出てくる極楽浄土の鳥です。「共命之鳥」とも書かれます。

この共命鳥のエピソードから、命がつながっているということをお伝えいただいています。

ほかのお坊さんも、皆さん味わい深いお話を示してくださいます。

機会があれば、お手にとっていただきたいものです。

2013年3月27日 (水)

自分をちょっと休めるコツ

川村妙慶さんの「自分をちょっと休めるコツ」を読む。

鎌田實氏の「がんばらない」ではないが、私たちはむやみにがんばってしまいがちなのかもしれない。

「がんばる」は「我を張る」に通じ、実はとらわれを表す言葉だともいわれる。

「我」のことしかみることができない状態での「がんばる」は、あんまり良いことではないといえるのだろう。

表紙には「がんばりが空回りしているあなたに」との言葉もある。

疲ればかりがたまっているときの効果的な解決方法が「自分を休めること」

いわれてみればその通り。でも上手に休めない!と思っている人が多いのではないか?

間違った解釈やこだわりなどの「ムダな考え」をやめること。

「がんばる」は「ムダな考え」にとらわれることとも言える。

そこから離れるには?

そういうことを、実際の生活の場面に起こりがちなことを通して、解決のヒントを満載している本。

ただ、単なるノウハウではなく、その底流には、仏教の、そして親鸞聖人の智慧がある。