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2009年12月 3日 (木)

「都市の微熱」を読む

鷲田清一さんの『都市の微熱』は、時代劇ドラマ「JIN-仁-」の中のやりとりを紹介しています。(「毎日新聞」)

主人公がペニシリンを作るために醸造家に支援を頼み、その際、「あなたの器の大きさを見てみたい」といわれました。

奔走するも果たすことかなわず、もう一度醸造家に頼みにいくことに・・・

 「私の器は小さなものでした。

 一人では何もできないことをいやというほど知りました。

 その上でどうしてもなんとか・・・」と土下座する。

  返ってきた答えは、「それがあなたの器です。

 あなたの器は小さい。

 あなたの器は多くの人の力を吸い込む」

このやりとりをどう思われるでしょうか?

主人公は、自分の器の小ささを自覚するに至りました。

自分の器の小ささを知ることは、ある意味で辛いことであると思います。

しかし、それを知ったとき、開ける道もあるのではないでしょうか。

醸造家は、器の小ささを自覚した主人公に「あなたの器は多くの人の力を吸い込む」といい、支援をしました。

私には、この醸造家のあり方は、阿弥陀様のあり方に近いように思われます。

自分をきちんと知る。その上で、その「器の小ささ」に気づいたものを助けようとする。

これは阿弥陀様のみ光に自分の本当の姿が映し出され、阿弥陀様が衆生を救おうとなさる姿に重なってくるように私には思われます。

鷲田さんの主意は、別のところにあるかとも思いますが、そういう次第で、私はこのやりとりを味わわせていただきました。

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