法然展
「法然 生涯と美術」を京都国立博物館で見る。
法然上人は、いわずとしれた親鸞聖人の師。
40~50年の差はあるが、ほぼ同時代だと言えるのだが、浄土宗と浄土真宗との違いや同じ所、いろいろと感じることができた。
何と言っても「法然上人絵伝」の膨大さには驚いた。
真宗にも親鸞聖人の絵伝はあるが、これほどの量ではない。
今でこそ浄土真宗は開祖を親鸞聖人と定め、親鸞聖人を讃仰することに集中しているが、以前は派によっては法然上人を親鸞聖人と同等の位置に置いたり、親鸞聖人自身が一宗を起こすという意識が無く、「浄土の真宗」という言葉は、法然上人の教えを信じる意で使われたということもあるが、さかのぼれば浄土宗の流れを受け継いでいる。
法然上人の絵伝にも浄土真宗系の物があるようで、なるほどと感じさせられた。
法然上人の善導大師との関係の大きさにも改めて感じ入った。
真宗でも善導大師は七高僧の一人に数えられ、親鸞聖人も善導大師を大切にされたが、法然上人が善導大師の『観経疏』によって専修念仏を確立されたといわれるように、エポックメイキングな存在であった。
多くの善導像が展示されているところに、法然上人と善導大師の繋がりの深さを感じた。
親鸞展と法然展は、それぞれの入場済入場券の半券をもう一方に提示すれば、団体料金で入場できます。セットでいかが?
(法然上人の表記については、「聖人」と表記すると定められた宗派もありますが、展示で使われている「上人」と表記させていただきます。)
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