(11)復興に向け
「親鸞なう」「(11)復興に向け」は、宗教学者山折哲雄さん。
この方の「親鸞をよむ」(岩波新書)は、すばらしかった。
ご出身が東北、親戚知人も多いということで、TVで震災後の東北を訪れる姿が流されてもいた。
山折さんは「地獄」「無常観」を軸に震災を語る。
特に「無常観」を強く述べる。
「メディアを通じて見る被災者の表情が、非常に穏やかだ。心の底では怒り狂い、悲しみ、苦しみ、のたうち回っているような方々でもそう見える。外国の巨大災害では、被災者の表情は怒っている。日本人との対照性は何だろうと思った」。被災者の穏やかな表情の中に日本人の無常観を見ている。
「無常観は日本人の可能性ではないだろうか。自然と柔軟に対応しながら、粘り強く生きていく。穏やかな表情こそが再建の道を歩んでいく重要なエネルギーになっていく」
無常観というと私たちははかなさと結びつけてしまいがちだ。
もちろんはかなさとの関係は深いが、「日本人の可能性」「再建の道を歩んでいく重要なエネルギー」と積極的に捉えるところが、新鮮で意義深く思われる。
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