お彼岸(2)
浄土真宗のお彼岸の受け止め方をご説明いたします。
浄土教の流れの中での「彼岸」
また浄土教では、阿弥陀様がお作りになられたお浄土は、西の方にあると信じられています(西方浄土)。
お彼岸のお中日、春分・秋分の日は太陽が真東から登り真西へ沈みます。日が沈む西には、極楽浄土があります。その極楽浄土を雑念を払ってイメージする「日想観」という修行に最適であると中国の善導大師はお教えになりました。(善導大師は「正信偈」に「善導独明仏正意」=善導大師はただ独りお釈迦様の本当の御意図を明らかにされた と言われています。)その善導大師の教えによって、浄土教を信ずる人たちは、浄土を慕って西方を拝むことを大切にしました。
浄土真宗のお彼岸
私たちの浄土真宗では、古くから本山を始め各寺院で彼岸会が行われてきました。(たとえば本願寺の第三代覚如聖人がその著書「改邪抄」で、彼岸会のことに触れておられます。)しかし、春と秋の彼岸に念仏修行に励むことを意図しているわけではありません。他力=阿弥陀様のお力によって救われていると信じる真宗門徒は、彼岸会を機縁とし、仏徳(阿弥陀様の徳)を讃え、普段からの聞法(教えを聞くこと)と信心を確認することを大切にしてきたのです。
現在の浄土真宗のお寺でも彼岸会は行われます。
私たちは、お彼岸に特別な仏道修行をする訳ではありません。西を向いて浄土を拝む「日想観」をするのでもありません。
真宗門徒として、お彼岸に私たちがすることは、ご家庭ではお内仏(お仏壇)をきれいに掃除して打敷(うちしき)やお花やお供えなどをしていつもの通りのお参りをします。
お墓参りも通常通り。特別なことはしません。
それは亡き人の供養のためではなく、亡き人がご縁となってお墓やお内仏やお寺へお参りして「私に」念仏を唱えさせてくれて、法話を聞かせてくれる。そうして亡き人のお導きによって「私が」仏法に出遇わせていただく。そんな仏様と出遇う機会の一つとして、大切に迎えていただければよいと思います。
本山證誠寺では本日より彼岸会を行います。
3月19日(月)から3月21日(水) 毎日午後2時より
正善寺では次のように彼岸会を行います。
3月20日(火)午前10時より
正信偈のお勤め・法話
尼講も兼ねております。施本も用意しております。
皆様どうぞお参りください。
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