痴心未了
「福井新聞」の「心のしおり」では、了慶寺住職の藤枝宏壽さんが高光大船の句を紹介しておられる。
痴心未了今年の秋も暮るるらし 高光大船
藤枝さんは、「痴心未知」に言及して私たちに煩悩を知ることの大切さを説かれるのだが、煩悩を持っているという私の姿を知ることは、重要なことだと思う。
何よりも、私たちが煩悩を持ち、その煩悩が果てることがないことを読む高光大船の句は、私たちの真の姿を映し出す、阿弥陀様のみひかりにも似た趣がある。
私たちは、一生煩悩から切れることがない。そのことを認識した上で、はじめて何かが捕まえられるのだろう。
いい句を紹介していただいたことに感謝したい。
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