出会い そして 別離の いのち
中村薫講話集6「出会い そして 別離の いのち」を読ませていただいた。
何年か前に、中村薫さんのお話を伺ったことがあるが、そのときのお話も感銘深いものだったけれど、この本には、非常に感銘を受けた。
正直なところ、この本の内容の重さ、深さの前に軽々しく感想は書けないという思いである。
一節を引いてみたい。
とうてい、こころ安らかに「人間に生まれてきてよかったね」と、ゆったり生きていけるそんな世界ではないからです。
子どもからお年寄りまで、いのちをむしばむようなたいへんな状況にあるのが現代日本の現状です。
そんなことを改めて感じますので、そのことに関して私は、これから深い関わりを持っていきたいと思います。
厳しい現実に向かい合ってきた中村薫さんだからこその認識と決意だといえる。
この一節に限らず、この本は、上のような「現代日本の現状」を思うとき、お念仏に向き合うことの大切さを深く知らされる本であった。
ご一読を勧めたい。
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