心の満足
海原純子さんの「心のサプリ」(「毎日新聞」)の一節。
物質的に満たされない社会だからといって、必ずしも心が満たされないわけではない。
(中略)
効率で考えれば切り捨てるべき人の手助けをあたりまえだと考え、歌いながら水を運んでいた姿は今も私の脳裡に焼き付いている。
仕方なく手助けをするのと、あたりまえだから手助けをするのは違う。
せねばならぬことと、自然にできることの違いともいえる。
この差は、他者に共感できる力の差でもあろう。
仏教は「自利利他円満」を目指す利他行を言います。
せねばならぬこととして人助けを考えると、それは辛い義務になってしまうかもしれません。
でも、あたりまえとして、自分のことと感じてできれば、それは自然な行為になるのでしょう。
自分の利益や効率を優先させるとなかなかこういうことはできませんが、「他者との共感」できる社会になれば、自然と「利他」に目が向くのでしょうね。
自戒も込めて、海原さんの文章を味わうところです。
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