(6)無縁遺骨受け入れ
「親鸞なう」の「(6)無縁遺骨受け入れ」は、黄檗宗の寺院「國泰寺」(勝山市)前住職の乾隆俊(いぬいたかとし)さんを紹介。
今回の大震災の惨状を、鎌倉時代に鴨長明が著した「方丈記」の記述と重ね合わせている。方丈記は、大地震のありさまを海が傾いて陸地に浸水し大地は裂けて水が湧き出し、都の付近では被害のない建物はないと伝える。また、京都の道ばたに4万2千人を超える遺体が放置されるような飢饉があり、僧侶が遺体を見つけるたび額に文字を書いて仏縁を結ばせたと記している。
「方丈記」に書かれているようなことが、現実に、目の前で起こっている。
ちょっと「方丈記」に反応したい。
以前に親鸞聖人の生きておられた時代に災害が多かったということに触れたが、「方丈記」には安元の大火・治承の辻風・養和の飢饉・元暦の地震などの災害についての記述がある。
いずれも親鸞聖人十歳前後の頃都を襲う災害であった。(聖人は九歳で得度)
なにがしかの関わりが親鸞聖人の身にも及んだのだろう。
上の記述は、養和の飢饉と元暦の地震の記述を踏まえているのだろうが、聖人の生きた時代はまさにこのような時代だったと言えるだろう。
今、東北で目にする現実は、聖人が目にしていた現実に通じているということかもしれない。
「気持ちが動転している被災者たちを元気づけ、亡くなった人のために念仏を唱えてほしい。それが僧侶の務めだと思う。自分に何ができるのか、何をするのがよいのか。それぞれが置かれている立場で、自分で考え行動すべきだ」
乾さんの呼びかけは、そのまま親鸞聖人の呼びかけと重なっているような気がする。
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