(5)被災地の僧侶
大慌ての遅ればせの「親鸞なう」フォローです。
「(5)被災地の僧侶」は玄侑宗久さんを取り上げている。
本文中にも玄侑さんのプロフィールが触れられているが、臨済宗のお坊さんで芥川賞作家。仏教関連の著書も多く、生身の体験や感覚を通して仏教を語られている。
「中陰の花」を読んだときの感動は忘れられない。
必ずしも真宗的ではない部分もあるのだが、かえって真宗の教えがこういうところから来ているのだと気づかせていただけることばを、この人からいただいたことも多い。
時折足を運ぶ避難所には、家を流された人、原発から逃げてきた人、放射性物質拡散の影響で行方不明の身内の捜索ができない人…、さまざまな悲しみが横たわる。「玄侑さん、何か話してください」と頼まれることもあるが「不幸の形がそれぞれに違い、全員に向かって大上段に話せることはない」。僧侶として無力感を感じる。
被災地にはそれこそ多様な悲しみがあるのだろう。
その一つ一つに向き合うことは、不可能と言ってもよいのかもしれない。
無力感を突きつけられることこそ、この震災の大きな意味なのかもしれない。
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