ぞうきん
以前は、お掃除というとぞうきんとほうき、ちりとりでした。
最近は掃除機やモップに変わってしまったのかもしれませんが、ぞうきんのことを考えてみましょう。
これも「心のしおり」に掲載されたものです。表記は新聞掲載時と変えているところがあります。
ぞうきん
榎本栄一さんは何気ない日常を詩の題材に深い教えを私たち前に提示してくれます。その詩に「ぞうきん」と題する一編があります。
ぞうきんは
他のよごれを
一生けんめい
ふいて
自分はよごれにまみれている
私たちは、ぞうきんを汚いものとして扱ってしまいがちです。しかし、ぞうきんのあり方をよく考えるとき、ぞうきんが私たちを導いてくれるのです。
ぞうきんは「他のよごれをふ」くものです。ぞうきんによって周りのものは、美しく保たれ、その輝きを見せてくれます。しかしながら、他のものをきれいにしたぞうきんは、ふけばふくほど汚れていきます。このぞうきんのあり方を私たちと比べてみましょう。
私たちは、自分の身の美しいことを願います。そして汚れを遠ざけ、ある場合には汚れを他に押しつけます。浅ましい姿ですね。
一方、他の汚れを一身に受けるぞうきんは、他を輝かせていきます。
このようなぞうきんのあり方に気づくとき、私たちはぞうきんに感謝の意を込めて手をあわせなければなりません。
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