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2009年10月19日 (月)

命のつながり

命のつながり

 今日は紙と筆記用具を用意していただきたいと思います。まず紙の下辺の真中に「私」と書いて丸で囲みます。その上に「父」「母」と書いて丸で囲んでください。「私」には「父」があり、「母」があります。このようにして、自分の系譜を十代前まで遡ってみてください。仮に親戚同士の結婚がないとすれば「父」「母」合わせて千二十四人が紙の上に書かれているはずです。
  この多くの「父」「母」のうち、一人でもこの世に現れなかったならば、あるいは子をなさなかったならば、今現在「私」は生ある身ではなかったはずです。
  このように私たちは、多くの命につながれて今を生きています。そして、私の隣の人も多くの命につながれて生きているのです。このように気づくとき、人間の生命がこの大宇宙の中で欠くことができないものものであり、非常に貴重なものであることが感じ取られます。そして、私の命は大きな命の一部としてはからずも「生かされている」
ことに気づくでしょう。
 自殺者が年間三万人になろうという今日、「命」を見つめ直してみましょう。

この原稿を書いた頃には、「自殺者が年間三万人になろうという今日」という表現でよかったはずですが、今は、年間三万人を超えており、政府や自治体が自殺者減を目指し、いろいろな取り組みをするのがあたりまえになってしまいました。

五木寛之さんが、御著書で三万人を強調しておられ、これはたいへんな状況では、と認識を新たにしていた頃に書いたものですが、事態は深刻になってきているといわざるを得ません。

「命」を見つめ直すことの重要性を訴える声も、もっと大きくなる必要があります。

そしてその訴えがひとりでも多くの人の心を動かしていくことを望みたいと思います。

例によって、新聞掲載時とは表記を改めたところがあります。

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