彼岸寺著「小さな心から抜け出す お坊さんの1日1分説法」を読む。
彼岸寺は超宗派のWEB寺院。そこに集まるお坊さんたちが書いた本。
全部で6章あり、それぞれ一人のお坊さんが担当。
他に「小さな心から抜け出すワーク」もあり、それを含めると7人のお坊さんの合作。
超宗派なので、それぞれのお坊さんのよってたつところも違い、アプローチの仕方に個性がある。
この多様性が、本書の特徴の一つなのであろう。
読んでいて、バラエティに富み、気づきがここかしこにある感じ。
ほとんどの項目が2ページの見開きにまとめられているので、読む人の関心によって、1冊通して読むこともできるし、1つの説法を取り出して読むこともできる。また、章ごとに読むのも一興だろう。
お会いしてお話を聞いたことのある方も何人かいるのだが、英月さんの章はその中でも異彩を放っているように思う。
「第5章 出会いと別れの中で生きていくために」が英月さんのご担当。
たとえば、次の文章は、英月さんの筆が自由自在に動いていることを感じさせる。
複数の人とつきあってしまうことを悩む人がいますが、「つきあう」の定義は人それぞれ。「縁が整って初めて出会いがあり、人間関係が成立する」というように、たとえあなたが何十人とつき合おうと、その関係が成り立っているのなら、それは双方にとって、取り立てて問題ではありません。なんて、ちょっぴり暴言ですね。(中略)
実は、この「不安」は、あなたの問題を解決するためのギフトなのです。
(「思い込みという『我』と向き合う」)
実は重い論題なのだが、英月さんにかかると自由自在・融通無碍といった書きっぷりとなる。
ほかにお得意の写経についても担当されていて、これも非常におもしろい。
なお、英月さんについては『週刊朝日百科 仏教を歩く 親鸞』にも、写経についてのお話が掲載されている。
写経についての堅苦しいイメージはこれによって払拭されるのではないだろうか。
他の6人の方の文章も、示唆に富む、学ぶところの多いものであることは言うまでもない。
お知らせ
正善寺彼岸会
3月20日(水) 午前10時より
正信偈のおつとめ 御法話(真宗出雲路派長慶寺副住職 泰円澄一法師)
春季彼岸会(本山證誠寺)
3月19日(火)~3月21日(木) それぞれ午後2時より(逮夜)
それぞれ、どうぞお参りください。