大震災の影響で、750回忌のもち方も各派いろいろとお考えになったようです。
西本願寺では昨日から大遠忌が始まりました。新聞等によると、参詣を延期した団体もあったようで、いろいろな思いが、寺院や門徒さんの中にも交錯しているのだろうと察せられます。
大遠忌法要のスローガンは、「世のなか安穏なれ」との親鸞聖人のお示しを掲げております。この宗祖のお心を体し、被災されたすべての方々の悲しみに寄り添い、その思いをわかちあって大遠忌法要をお勤めさせていただきたいと願っております。
本派の総長さんは、談話の中で次のように言われました。昨日の挨拶でも、被災者の悲しみに寄り添うという旨お話しされたそうです。
東本願寺は第1期を中止し、「被災者支援のつどい」の法会に切り替えられた。
「宗祖としての親鸞聖人に遇う」という御遠忌基本理念のもと、被災された方々に思いを馳せ、悲しみを共にしながら、いよいよ「人間回復の一道」を証してまいりたく、「被災者支援のつどい」の願いを引き継ぎ、法要次第及び荘厳の一部を変更して予定どおり御遠忌第二期法要及び第三期法要を厳修いたします。このことを通して被災者支援の活動が更に大きな潮流となって全国の御同朋御同行に拡がることを心から念じております。
大派の宗務総長さんのコメントにはこうあります。
御門徒さんの間にも、大震災とどのように向き合うか、いろいろと意見があるようです。北海道の御門徒さんは、飛行機で東北の上を飛び越えてはいけないと取りやめる方、御遠忌に参加することで、被災者の方々に思いを寄せようとする方、半々だと聴かせていただきました。
御参拝をするかどうか、それぞれのお気持ちに沿って決めていただくということになるのでしょうが、いずれにしても宗祖聖人に向き合うことで、被災者の方々に寄り添うことが大切だと思われます。
以前、「毎日新聞」(3/28)にグリーフケアに取り組む高木慶子さんがインタビューで次のようにおっしゃっているのを見た。
--被災地から遠く離れた人にできることはありますか。
◆ お祈りができるじゃないですか。神さま、仏さま、ご先祖さま、どなたでもいい。被災者の不安と恐怖が少しでも和らぐよう、離れ離れになった家族が再会できるよう祈ってください。被災者に寄り添う気持ちから行動の第一歩が始まります。
真宗では「祈る」ではなく「念ずる」と言いますが、気持ちはここに書かれていることと同じではないでしょうか。
支援に向けて、積極的に行動を取ることができる人もできない人も、お念仏によって寄り添う気持ちを持つことが大切なのではないでしょうか。